毎年、たくさんの人が、火事や交通事こなどのさい害におそわれ、こまっています。
 この、わたしたちをいつおそってくるかわからないさい害によるひ害を少なくするためには、みんなが協力しなければいけません。
 わたしたちが、安全にくらしていけるために、人びとはどんな協力やくふうをしているのでしょうか。

(1)火事をふせぐ


 メルボルンでは、下の表からわかるように、火事がよくおきています。とくに夏におこる山火事ではたくさんの人がこまっています。わたしたちの学校があるグレンアイラ市でも家がたくさんたっているので、もし火事がおきると、グレンアイラ市の人だけでなく、まわりの市の人までがめいわくをうけます。そのため、メルボルンでは、消防署の人たちを中心に広い地域の人が一緒になって火事をおこさないようにどりょくしています。

  火事のうちわけ 2000/2001
         (メルボルン消防署調べ)

    火事        10476(件)
    特に大きな火事    18
    ボヤ        10476  
    合計        10913
メルボルンの消防署

○火事をおこさないために、どのようなくふうをしているか調べてみましょう。

(1) 火事をおこさないくふう
 火事をおこさないための仕事の中心になっているのは消防署です。
 消防署の人たちは、工場やホテル、スーパーマーケット、病院、学校など大きなたてものや人が多く集まる所、また、石油などもえやすいものをあつかっている所などを、計画をたててけんさやみまわりをしています。また、火事をふせぐためにはどうすればよいか、その方法を考えています。火事のおそろしさをみんなに知ってもらうために、ポスターをはったり、テレビやラジオ、新聞でよびかけたりしています。みんなに火事について考えてもらうように、シティーの消防署では、毎週金曜日に学校の児童生徒や一ぱんの人たちをよんで消防車のデモンストレーションもしています。このように、火事がおきないようにみんなへのよびかけや点けんをしています。
 また、空気がかわいて火事がおこりやすい日には、テレビやラジオ、新聞で「トータルファイヤーバン」と知らせ、外で火をたくことを禁止します。しかしみんなが気をつけていても火事がおこることがあります。もし火事がおきたら、その時はできるだけはやく消さなければなりません。

デモンストレーション ホテルの防火しせつ

(2) 火事をはやく消すくふう
 火事がおきたとき大きな火事にしないためには、早く火事をみつけて、早く火事のげん場へ行き、早く火を消すことです。そのためには、火事がおきたことをできるだけ早く消防署の人に連絡しなければなりません。 火事が起きたら、11441番(000番)で消防署へ知らせます。電話は消防本部の通信司令室につながります。通信司令室では多くの人が交替で昼も夜も働いています。メルボルンの道路はすべてコンピュータがおぼえていて、火事がおきた場所から一番近い消防分署をコンピュータがみつけすぐ連絡できるようになっています。消防分署では知らせを聞くと、すぐ消防車でかけつけます。消防車はサイレンをならしながら火事げん場まで行きます。一ぱんの車はサイレンを聞くと道をあけなければなりません。交差点では信号が青でも止まり、消防車ができるだけ早く火事げん場へ行けるように協力します。連絡があってから7分くらいまでには火事のげん場へ行けるそうです。通信司令室では火事のようすによって、さらにまわりの消防分署に応援をたのみます。けい察、ガス会社、電気会社に連絡をとり、火事を消す応援をします。 火事でけがをした人のために病院にも連絡をとります。これらの連絡もすぐできるようになっています。 通信司令室への電話は1988〜89年の1年間に38752回もありました。しかし、まちがい電話や火事に関係ない電話が 25931 回もあり、わたしたちも気をつけなければいけません。早く火事を見つけるために、大きなホテル、ビルの火災報知器は通信司令室と直接つながっています。いつも3台以上のパトロールカーがみまわりをしています。
 左の図のように、メルボルンには47か所のファイアーステイション(消防分署)があります。これは、市内のどこで火事がおきてもすぐ消防車が火事げん場にかけつけられるためです。

(3) 消防署の仕事
 火事はいつおこるのかわからないので、消防署の人たちは昼も夜も交替でつとめています。ふだんは、消防自動車の点けんや火事を消すくん練をしています。火事を早く消す方法の研究や安全に火を消す方法の研究もしています。ビルや学校、ホテルなどのたて物の火を消す設備や消火器、火災報知器などの点けんもしてます。また、毎年計画をたてて、消火施設を整えています。
 この他にも、災害などで困っている人たちの救助活動などもしています。

消火くんれん 火災ほう知器の点けん 消防自動車の点けん
消火くんれん 消防分署の場所

(4) 大きな火事をふせぐ町づくり
 みんなの生活を火事からまもるためには、火事を早く消すくふうだけでなく、火事がもえひろがらない町にしていくことが大切です。火事の時もえひろがらないように、屋根やかべにもえにくい材料で家をたてるなどのきまりを作っています。石油、ガスなどのもえやすいものや薬品、火薬などきけんなものをあつかう所には、消火施設を整えるようにさせています。また、ときどき点けんに行っています。消火せんを点けんしたり、計画的にふやしていったりして、もえない町づくりのための仕事もすすめています。

消火器の点けん 消火くんれん 学校のちかくにある消火せん