オーストラリアを代表する植物は、ガムツリーとワトルツリーです。オーストラリア大陸は、大変乾燥した大陸だけに、水が少なくても育つ植物でないと生き残れません。ガムツリーもワトルツリーも乾燥に耐える植物で、その種類は数百種、大きさも様々です。
ガムツリーはオーストラリア大陸全土にわたって約500種がみられ、高さ90mにも達するマウンテン・アッシュから、乾燥地帯の発育の止まったものまでいろいろあります。特徴的なことは、養分の作り方です。普通植物は葉の表だけで光合成を行ないますが、ガムツリーの葉は、両面に日光を受けて表と裏で光合成を行ないます。ガムツリーがほかの木より早く育つ理由はこのためです。
@ガムツリーは、葉の形だけでは他の木と見分けることはできません。なぜなら、ガムツリーの葉は、たくさんの形や大きさがあるからです。
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長くとがったもの ほとんど円形のもの 葉柄のあるもの 葉柄のないもの |
Aガムツリーは、木の形だけでは他の木と見分けることはできません。なぜなら、ガムツリーの木の形はいろいろあるからです。
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高く真っすぐに 伸びたもの |
たくさんの幹の あるもの |
曲がったりねじれたり しているもの |
Bガムツリーは、樹皮だけでは他の木と見分けることはできません。 なぜなら、樹皮にはいろいろな種類があるからです。
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堅いもの 繊維状のもの 滑らかで、細長く皮が 短く薄片状 はがれ落ちるもの のもの |
Cガムツリーは、花で他の木と見分けることができます。
ガムツリーの花はガムナッツの中にあり、たいていつぼみの先端にcap を持っています。このcapが落ちると、一気に鮮やかな花が咲きます。花は中心にある1本のめしべとそれを取り巻くたくさんのおしべからできていて、おしべが散ると、実をぎっしりつめたさやだけが残ります。また、ガムツリーの学術的な名前は、ギリシャ語のeu(全体)kalypotps(おおわれている)からきています。
※発育過程には、2つの種類があります。
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(a)ガムナッツ(Gum-Nuts)
ガムナッツには、いろいろな形と大きさがあります。
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ガムツリーかどうかを確かめるには、花を見る必要があります。さらに葉の形、樹皮、ガムナッツの形や大きさでガムツリーの種類がわかります。
(b)キャップ(Caps)
Capには、たくさんの形や大きさがあります。
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ガムツリー(GUM TREES)
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オーストラリアの国花であるワトルツリーは、アカシア科の一種です。ワトルツリーは600種以上もあり、南アフリカやヨーロッパ南部のミモザ(Mimose)と同属でもあります。
ワトル(Wattle) という名前は1788年にボタニー湾に入植した人達が建てた家からきています。当時の家の壁の作り方は、「Wattle and Daub」(枝を編み合わせて塗り付ける)と呼ばれ、ワトルの枝がよく使われていたため、この名前がつけられました。
ワトルツリーの中には、約30m以上の高さのものもあります。ビクトリア州では、約90種のワトルツリーがみられます。
入植者の家の壁(ワトルの枝が使われていました)
@ワトルツリーは、葉の形だけでは他の木と見分けることはできません。なぜなら、葉の形にはいろいろな種類があるからです。
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羽のような 広く平らなもの 小さいもの 葉が穂状のもの 長く、たくさんの かたちを 葉脈があるものもの したもの |
ほとんどのワトルツリーの葉は、ほんとうの葉ではなく仮葉(茎が変形したもの)です。
Aワトルツリーは、木の形だけでは他の木と見分けることはできません。なぜなら、木の形にはいろいろな種類があるからです。
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大きく高いもの ほふく状のもの 低木のもの |
Bワトルツリーは「花」と「さや」で他の木と見分けることができます。
・花
ワトルツリーの花には、マートルワトル(Myrtle Wattle)のように、2〜4個の球状の物が集まって花を作っているものや、ゴールデンワトル(Golden)のように、50〜80もの花が集まって、球状の集合花を作っているものがあります。また、球状ではなく、「さや」のような形をした花もあります。
・さや
「さや」には、いろいろな種類のものがあります。
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・種子
「さや」のなかの「種子」には、いろいろな種類があります。
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縦向きのもの 横向きのもの 丸いもの |
ワトルツリー(WATTLES)
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