1.オーストラリアのほ乳類の一般的な特徴

 オーストラリアには、3種類のホニュウ類(Mammals)がいます。ホニュウ類とい うのは、卵ではなく親と同じ形の子供で産まれ、母親のお乳をもらって育つ動物の仲間のことです。(例外として、卵で産まれる仲間もいます。)

 又、ホニュウ類は恒温動物とか温血動物と呼ばれ、外界の気温が変化しても体温が一定で変わらないのが特徴です。

 オーストラリア大陸は、1億2千万年以上も前に他の大陸から切り離された大陸なので、オーストラリアにしかいないホニュウ類がたくさんいます。

 

(1)単孔類(Monotremes)

  カモノハシ(Platypus)やハリモグラ(Echidnas)のように、ホニュウ類のな  かで唯一卵を産む仲間です。子供を卵で産むのですが、母乳で育てるのでホニュウ類の仲間に入ります。

 この仲間はホニュウ類の中では最も原始的なタイプでオーストラリアにしかいません。

 

(2)有袋類(Marsupials)

  カンガルー(Kangaroos)やコアラ(Koala)のように、袋を持っていてその中で子供を育てる仲間のことです。

  地球上の有袋類の大部分は、オーストラリアとニューギニアにいます。

  

(3)その他のホニュウ類

 現在、オーストラリアには、(1)や(2)以外のいろいろなホニュウ類がいま すが、昔からオーストラリアにいたのはコウモリ(Bats)・ネズミ(Mice)・デ  ィンゴ(Dingo)などわずかな種類だけです。ウサギ(Rabbit)・キツネ(Fox)・  ヒツジ(Sheep)・イヌ(Dogs)・ネコ(Cats)・ウシ(Cow)などのホニュウ類は、 ほんの200年前、白人と一緒にやってきたものです。

 

2.絶滅の危機に瀕している動物たち

 前述(3)の、白人と一緒にやってきた動物たちは、オーストラリアに昔からいる 有袋類の餌をどんどん食べてしまいました。又、彼らは袋の中で子供を育てるということをしなくてもいいので,どんどん子供を産んで数を増やしていきました。

 さらに、白人たちは、牧草地や小麦畑を作るために土地を切り開き環境を変えてしまいました。

 その結果、多くの有袋類は限られた地域に追いやられてしまい、タスマニアタイガー(Tasmanian Tiger=Thylacine)など17種が絶滅してしまいました。現在、少 なくともウォンバット(Wombats)・ポッサム(Possums)・ワラビー(Wallabies)など 25種が絶滅の危機に瀕しています。

タスマンタイガー.jpg (757354 バイト)
     絶滅してしまったタスマニアタイガー